『MARUCHAN QTTA(クッタ)SHO-YUラーメン』社運を賭けている感みなぎるマルちゃんの新麺を食った!

ダウンタウン・松本人志を起用していることからも、その力の入れようがわかる、マルちゃんの新スタンダートを狙うタテ型カップ麺「QTTA」。その中核をなす『MARUCHAN QTTA(クッタ)SHO-YUラーメン』を食べてみた。

どこから食べても王道の味。たっぷりかやくにモチモチの麺は美味しいが、インパクトは…

最近の10〜20代は全世代の中で最もカップ麺を購入しない世代なのだとか。かつては若者食として名を馳せたカップラーメンが……。なるほど、すごい時代である。


そんな中、若い世代に向けてニュースタンダードを作るべく、社運を賭けて(?)生み出されたのが、タテ型カップ麺の新シリーズ「QTTA」。パッケージをおしゃれにして松っちゃんをキャラクターにしたCMを大量オンエアという予算のかけように、想いが伝わってくる新製品だ。ラインナップは醤油(SHO-YU)、豚骨(TONKOTSU)、シーフード(SEAFOOD)。新定番を目指しながら、塩味も味噌味もカレー味もないのが不思議。


今回はその中でもスタンダード色のひときわ強い東洋水産『MARUCHAN QTTA(クッタ)SHO-YUラーメン』(73gうち麺60g・希望小売価格 税抜180円・2017年3月27日発売)を食べてみた。マルちゃんのタテ型カップ麺といえばパッケージが洒落た「ホットヌードル(NEO)」だが、地味な印象は拭えないが、今回はどうか。デザインは踏襲している気がするが。

想定敵ははっきり言って、日清食品「カップヌードル」だろう。その地位を狙うためのマルちゃんからの刺客なわけだが、問題は味である。マルちゃんはうどん・そば系では「赤いきつね」「緑のたぬき」という国民的ヒット商品があるが、ラーメンでは未だ勝ち抜いてはいない。特に近年、タテ型カップ麺では、変則的な「ワンタン」が活躍している以外は地味。

 

味わいに関しても、マイルドでおとなしい印象。それなりに美味しいのだが、いつも爪痕を残すまで行かない惜しさに溢れる商品が多かった。そこを今回の「QTTA」はどう乗り越えるのか。

 

まず目につくのはカップに対する工夫。底が四角いのに上部は円形というひねった構造。持った感じでは、タテ型カップ麺の宿命である湯入れをしてテーブルへ運ぶまでがとにかく熱いという難点を解決している期待を抱いてしまう。もちろん二重構造。

フタをめくるとかやく量がすごい。味付豚肉、えび、たまご、ねぎが盛り上がっている。麺はラードで揚げた味付油揚げめん。湯入れをすると、スタンダードなカップ麺の香りが立って、期待度マックス。ちなみに湯入れ直後はカップが熱くなく移動も楽々。ただ3分後には結構熱くなった。

非の打ち所がない優等生的味わい。だが破天荒さは微塵もないのが残念

湯入れ終了でフタをめくり直すと、さらにかやくの多さが目につく。香りもラーメン感が強いタイプ。見た目はスタイリッシュを気取っているが、中身はラーメン。そしてスープは思ったよりは濃厚。ポーク&チキンの合わせだしにガーリックと胡椒と醤油を効かせた濃い味わい。なるほど、ティーン向けというのがよくわかる。

麺はもちもち感があって、「カップヌードル」のペラリ感とは全く違う味わい。どうやら生麺方向を目指しているようだが、「正麺」ほどに完成度が高いわけではない。スープと麺を合わせて食べると、少し脂っこい醤油の味がはっきりしたラーメン。うん、美味しい。


中でもこれでもかと入っている肉がうまい。エビも濃い味付けで食べ応えがある。具沢山で濃厚な味わいで脂感が高い。これは普通に美味しい麺だし、30〜40年前にリリースされていればスタンダードになりえたかもしれない。


しかし今は群雄割拠のカップ麺戦国時代。スタンダードに上り詰めるには王道的な味わいも必要だが、既存のメニューとの明らかな違いも必要なのではないか。確かに工夫を凝らした美味しい麺なのではあるが、これでなくちゃというインパクトがどうにも薄いのだ。

 

さてマルちゃんはこれで新時代を築けるのか。カップ麺ファンならその真価を一度は自分の舌で味わって確認してもらいたい。

 

 

オススメ度:(買っても損はない)

記者

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清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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