『ブタメン BIG』大きくなった子供層を狙い撃ち! 郷愁という最高のスパイスとともに味わってみた

ベビースターラーメンで知られるおやつカンパニーのミニカップ麺ブランド「ブタメン」が大きくなって『ブタメン BIG』として登場。もはやすっかり大きくなった子供層を狙い撃ちの商品を食べてみた。

夢に見た巨大ブタメン、具材などほとんどなくてもなぜか美味しい!

そもそもは駄菓子として1959年に誕生した「ベビーラーメン」がルーツで、1973年に「ベビースターラーメン」に名称変更。そのあとにオイルショックということからもわかる通り、とんでもない長寿ヒット菓子である。ラーメンスナックの元祖と言っていいだろう。

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当時のあるあるネタでいくと、”ベビースターラーメンにお湯を入れてもラーメンにならない!”というのがあった。そんな中、先祖返りのようにカップにお湯を注いで食べるミニサイズの「ベビースターカップラーメン」が1978年に誕生。駄菓子店店頭でお湯を入れてもらって食べるという行為に当時の子供達は大いに魅せられた。ただ初期の麺は細く切られたもので、ラーメンとは程遠い仕上がりではあったけれど。

 

ベビースター人気は70年代を経て絶大なものになり、1988年にはそれまでのチャイナ娘から現在のキャラクターに変更、パッケージを一新、一般小売店に猛勢をかける。発売元の松田産業は1993年には「おやつカンパニー」に名称変更。それとほぼ時を同じくして誕生したのがミニカップ麺の「ブタメン」である。だから90年代以降に小学生時代を過ごした少年少女には確実に郷愁が巻き起こるはずなのが、おやつカンパニー『ブタメン BIG』(87g・希望小売価格 税込178円・2016年6月20日発売)だ。

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発売当初はまだまだとんこつラーメンが高級だった時代。なので駄菓子店店頭などでミニサイズながらカップ麺でとんこつラーメンを楽しめるというのは画期的だった。それも麺もしっかり通常のカップ麺のように長いタイプ。リッチな気分で小腹を満たせたのである。

 

ただ当時の小学生にしても、50円ちょっとの価格設定ではあるが、やはり37g程度の内容量は物足りなかった。限られた小遣いの中で捻出するには一気に2つというのもなかなかの冒険。食べ過ぎて夕食が食べられなくなって親に大目玉を食らうのを避けたいという気持ちも相まって、お腹いっぱいブタメンを食べるというのはなかなかのファンタジーだったのだ。

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その夢想を現実にしてくれるのが、内容量倍増以上の『ブタメン BIG』。パッケージのノリもほとんどそのまま巨大化しているので、不思議な気分になる。まさに大人買いならぬ大人食いのできる一品。それでは郷愁をたっぷり掻き立てられながら、食べてみよう。

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そもそも湯入れする湯量が違う。ごま以外かやくなど何もない潔いクリーム色の地平にドバドバとお湯を注ぐ。麺もまた同じ油揚げ麺。立ち上る香りは確かにブタメン特有の若干嘘くさい香ばしさの際立つとんこつ風味。ちなみにカップはスチロール製ではなく、紙製になっていたので、湯入れ後の移動は非常に熱い。

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3分待ってフタをめくると、すごい。具材たっぷりのカップ麺を見慣れた大人にとってはありえないクリーム色の地平。箸でかき回しても何も出てこないこの空虚感。なるほど、ブタメンを巨大化するというのはこういうことか。

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スープを一口飲んでみた。懐かしい程よくサラサラなとんこつスープ。ドロドロで臭みの効いた現代人の感覚でいうととてもあっさりしているのだが、そこがまたいい。塩気のキツイのも同じ。ちなみに今回のこの『ブタメン BIG』の製造はエースコックが担当している。随分とメジャーになったものだ。ただエースコックの人々もよくわかっているようで、本格的に味を調整しようなどの余計なことをしていないのに好感が持てる。

 

食べても食べても無くならないブタメン。まるで幼い頃に見た夢のようである。途中で飽きが来ないとは言えなくもないが、この単調さこそ駄菓子系カップ麺の醍醐味。フェイク商品としての魅力がそこにはある。そもそも当時を改めて振り返ってみれば、その地平の中、子供心に想像のチャーシューなどを浮かべて食べていたのではないか!?

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カップは大きくなっても、それ以上に人間のサイズが大きくなっているので、スルッと食べられてしまった。具材などの変化なしに食べられたのは、ひとえに郷愁という最高のスパイスのおかげである。ただ常食するとありがたみは減るだろうとは思う。

 

購入できるのはセブンイレブンなどのセブン&アイ・ホールディングス店舗のみ。数量も限定とのことなので、この郷愁をまだ味わっていない人は急いだ方がいい。

オススメ度:(絶対におすすめ)
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記者

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清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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