『ジョージア コールドブリュー ブラック/カフェラテ』雑味の少ないNY発水出しコーヒーを気軽にアルミ缶で

一見ビール? と勘違いしてしまいそうな精悍なルックスが特徴の日本コカ・コーラ『ジョージア コールドブリュー ブラック/カフェラテ』。1、2を争う大きなシェアを誇る缶コーヒーブランド「ジョージア」からのアルミストレートウォールボトルを使用したニューフェイスだ。

NYの新トレンドとなっている低温抽出で生まれるすっきりしたアイス向けの味わい

湯ではなく、水で抽出するのがコールドブリュー方式。昨年くらいからNYを起点にブームを呼んでいるが、もともとはダッチコーヒーとも呼ばれた水出しコーヒーと同じもの。日本でも近年はポピュラーで保守系巨大コーヒーチェーン「銀座ルノアール」でもメニューに入っているのでご存知の人も多いだろう。

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そこをあえてコールドブリューと呼ぶのは、近年ブームのサードウェーブなどのスペシャルティコーヒーの流れを汲んでいるから。イメージとしてのオシャレさが違うくらいで同じものだ。

 

ちなみに湯を使用して抽出したコーヒーを冷やして飲むのが通常のアイスコーヒーだが、コールドブリューなどの水出しコーヒーとは別物と呼んでいいくらい味が違う。コーヒー好きの記者は両方好きだが、飲みたい時はそれぞれ違う。

 

湯で抽出するとタンニンやカフェインの含有量が多くなるのでガツンとした味わいになりやすい一方、コールドブリューなどの水出しコーヒーはすっきりとしたテイストでアルコールに近い珈琲豆の香り立ちが特徴。一滴ずつ点滴するように抽出したり、粉と一緒に冷蔵庫でじっくり抽出する方式があるが、前者はとろりとした味わいになり上質のウィスキーのような味わいのものも多い。少なくともどちらがいいというものではないので念のため。

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さてこの『ジョージア コールドブリュー ブラック/カフェラテ』だが、コールドブリューなので水出しコーヒー系統の製品だ。低音の水に浸して長時間かけて抽出し、フィルターでろ過して生まれた手間のかかっている一品。それではその2種を味わってみよう。

■『ジョージア コールドブリュー ブラック』
(265ml・希望小売価格 税抜167円・2016年5月23日発売)

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ボトルは最近だと「コカコーラ(ゼロ)」でも採用されて話題となったスリムなアルミボトル。持つと非常に冷たいのだが、フットプリントも小さくクールな印象。

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キャップをひねると水出しコーヒー特有の酔っ払いそうな香りが沸き立つ。ただ水出しだから香るはずなのだが、香料を使ってしまっているところが少々残念。味自体もすっきりしているといえば聞こえはいいが、むしろ薄く感じてしまう。水出しコーヒーを氷に入れたグラスで放置してしまったかのような残念な薄さ。

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確かに苦味はほとんどないので、苦さが苦手な人にはいいのかもしれないが、コーヒー好きとしては物足りない。旨味・甘味の点でも今ひとつ。コーヒーの持つボディ感が活かされていないという感想。

 

■『ジョージア コールドブリュー カフェラテ』
(265ml・希望小売価格 税抜167円・2016年5月23日発売)

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これも飲んだ瞬間薄く感じる残念な仕上がり。甘みを控えているために余計にそう感じる。水出しではないが、スターバックスやタリーズ系統からリリースされている缶コーヒーはもっとバランスがいいので、もっと美味しくできない話ではないだろう。

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そもそもカフェラテを標榜するならエスプレッソをベースにしなければならないが、水出しコーヒーを牛乳で割っているのでむしろ味わいはカフェオレだ。すっきりさせようとしているのはわかるがどうにもピントが外れている。香料や乳化剤、噴出防止のためのシリコーンなど混ぜ物が多いのも気になる。

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まとめ:これでコールドブリュー/水出しコーヒーの味を判断しないでほしい

コールドブリュー/水出しコーヒー/ダッチコーヒーを愛する者としては、どうかこの2製品でそれらの味わいを判断しないでほしいと切に願う。香り立ち豊かでリキュールのような独特の風味を持つ水出し特有の味わいをうまくアルミボトルに封じ込めたとはどうしても思えない。ルックスは洗練されているが、中身はスペシャルティとは程遠いので、あまり多くを期待しないで飲むのが良いだろう。「ジョージア」ブランド自体に信頼を抱いていただけに少々傷ついた。

 

オススメ度:(ピンときたら、どうぞ)
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記者

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清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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