全アイテム平均が300円代!気軽に楽しめハーブ/スパイスの味わいがクセになる『家バル』編

つまり素材として調理されることを前提に考えれば、安価でクセのない大豆油を使っていることにも納得がいく。それなら多少パサパサ感があっても、調理することで解消できるわけだ。しかし記者はそもそものコンセプト”缶をあけたら すぐおつまみ”を重視して、調理することなく試食を続けたいと思う。

 

新商品から2品を試食

さて全14アイテムから、今年の新商品、2品をピックアップ。

まずは「牛肉とトマトの赤ワイン煮」である。こちらは今回食べた5品目の中で、一番洋食っぽいテイストの缶詰である。オーストラリア産の牛肉を赤ワインベースのソースで煮込んでいるが、このソースが結構甘口で、味は悪くない。

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内容量85gで、価格は税込450円。やはり味は価格に比例しているのか? と言ってしまっては身も蓋もないが、美味しいと思ったら全アイテム中、一番高価な商品であった。

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ソースには、マッシュルーム・玉ねぎ・ニンニク・人参が使われ、コショウ・バター・はちみつで仕上げられている。まろやかで、しつこくて、それでいて美味しい。

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素材の牛肉も軟らかく、かといって「砂肝のアヒージョ」の砂肝のような、歯ごたえの無さではない。

この缶詰には、やはりまず赤ワインだろう。また料理自体が甘いので、合わせるお酒は、甘くないものの方が相性がいいように思われる。

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新商品の2つ目は、「ホタテのアヒージョ」である。

これも使用されている油は大豆油。そのせいかこの缶詰は、名はアヒージョだが”アヒージョ”という感じがしない。どちらかというとボイルホタテの缶詰といった風情。確かににんにくや唐辛子が入って、スペイン風なイメージはあるのだが、やはり油のせいなのかアヒージョのあのキラキラと弾けるようなオイル感が感じられないのである。

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これが缶詰の限界なのか…。しかしアヒージョと名乗るものには、せめて油にこだわりを持って欲しかったと記者は思うのだ。

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ホタテの身は、多少崩れ気味で貝柱に歯ごたえはあまり感じられない。もちろん、つまみとして食べられないというわけではないが、こちらもやはり調理用の食材としてなら、より美味しさを発揮できるような気がする。白ワイン、ビールのつまみによく合うが、記者は魚介のパスタに入れて食べたい素材だと思った。「ホタテのアヒージョ」は85g入りで400円。これも内容量を考えると、シリーズ中で比較的高価な部類に入る。

 

以上、5品を食べてみて、 記者が最も美味しかったのは、新商品の「牛肉とトマトの赤ワイン煮」である。それはあくまでも缶を開けてすぐにつまみとして食べる前提でのこと。調理することも考えれば、「ホタテのアヒージョ」もいいと思う。

ここで改めて気づいたのだが、そもそもこのアライドコーポレーションというメーカーはタイ料理を日本に輸入して流行らせた会社。ヒット商品に「パクチードレッシング」があるが、その流れなのか、全体としてハーブ/スパイスのクセのある味わいに重点を置いている気がした。記者的には油にばかり引っかかってしまったが、クセのある本格ハーブ/スパイスの風味が好きな人には熱烈に気に入られるのではないか。そこが人気の秘密を解くカギになるのかもしれない。確かに最近はエスニックなハーブ/スパイス商品がブームを呼んでいる背景もある。

いずれにしても新商品の2品が良かったということで、これからも進化していく『家バル』に期待したい。

オススメ度:(面白い)

記者

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渡辺 穣

複数の雑誌のデスク・編集長等を経てフリーライター/エディター。主にビジネス/経済系の著書・記事多数。一橋大学法学部卒。八ヶ岳山麓に移住して20年以上。趣味は、スキー、ゴルフ、ピアノ、焚き火、ドライブ。山と海と酒とモーツァルトを愛する。札幌生まれ。

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