『Okime File(桃色/空色)』1661年創業、京都の漆器商が作るワビサビ感満点の上質クリアファイル

えらく風情のあるA4対応クリアファイルは、株式会社象彦(京都府京都市)による『Okime File(桃色/空色)』(31×22cm・希望小売価格 税抜300円・発売中)。Okimeと言っても”大きめ”というわけではなく、伝統漆器に使われる蒔絵の原画となる”置目(おきめ)”のこと。その美しさにはうっとり確実!

 

これを作ったのは1661年創業という京都を代表する漆器道具商の株式会社象彦(象牙屋)。三代目西村彦兵衛は朝廷より蒔絵司の称号を拝受したというからもう…。時代は寛文元年で徳川家綱の時代。中国はまだ清と呼ばれていた頃…。350年前なんてほとんど想像の付かないほど昔だが、その頃から漆器に金銀粉をまぶして描かれていたのが蒔絵。そしてその文様図案の下絵こそが置目。

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そのパターンを見事にクリアファイルという馴染み深い文具に落とし込んだ『Okime File(桃色/空色)』。この株式会社象彦による「Okime」シリーズは、クリアファイルを筆頭に、一筆箋、ポストカード、ペーパーフォルダーなどの文具で展開。さらに紙タイプのお香「文香」も加えて、《一六六一 京都》ブランドとして展開。今年7月に東京ビックサイトで開催されたISOT(国際文具・紙製品展)にてデビューした新規ブランド。

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どれも和のテイストがフィーチャリングされた独特の美しさを持ったラインナップで趣深い。ワビサビテイストの京風が好きな人にはたまらない品揃え。

今回はクリアファイルということで、通常は金銀でしか楽しめなかった文様が桃色と空色にアレンジされてプリントされている。小技が利いていると思ったのは、裏面を白地にすることで文様がきれいに楽しめるところと、表面は透明でそちらにも文様が描かれており、重なることで完成するところ。

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中に書類を入れた時の文様と、空にした時の文様が違うというのが何とも奥ゆかしい京都センス! クリアファイルと言っても光沢のあるタイプではなくマットな質感というのもポイントが高い。

 

Okime File 桃色

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京都ピンクとでも言いたい淡い桃色を貴重にあしらわれる抹茶グリーン。その色味はまさに和菓子そのもののカラーリング。あまり無粋な書類を入れたくないくらい完成度の高い一品。花、蝶、紅葉、笹などの繊細な線画パーツはいくら見ても見飽きない。

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Okime File 空色

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ブルーと言えばブルーだけれど、やはり空色と呼びたいマットな質感のブルー。直訳してスカイブルーと呼ぶのは絶対に避けたいこの穏やかな色味。花だけでなく、松や孔雀などの繊細な線画パーツは、やはり使うより飾りたくなってしまう。

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京の伝統文化を文具に落としこむ手腕はピカ一。普通はどうしても民芸品的センスになってしまいがちな京センスが、見事に洋風文具とコラボレーションしているのは素晴らしい。

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殺伐としたオフィス環境・学校などで使えば、見るだけで心がスッと落ち着いてくるのがわかる。これは全種類をコンプリートしたくなる!

オススメ度:(絶対におすすめ)
公式サイト:Okime File(桃色/空色)

記者

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清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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