『コミュニケーショントイ「気持ちいっぱいお茶犬ノリノリ」』はゆるキャラ度満点、大人にも懐かしいロボット犬
全ては耳。耳を振り上げる、耳を振る、耳をついて身を起こす、逆に耳をついてお尻をあげるというのが基本動作。まあ、何とシンプルな…。その動きを発動させるのは頭を撫でたり、ポンと叩いたり、鼻のボタンをマウスのクリックのようにシングル及びダブルクリック感覚で押して動かす。その組み合わせで表現できる動きは何と24種類。耳だけで……すごい。
ちなみに耳をついてお尻を持ち上げて逆立ち状態などの技も含めているので、確かにこれだけでもけっこう楽しい。表情は固定なのだが、いろいろな動きと鳴き声で感情を表しているように見えてしまうから不思議。さすが能面に表情を感じてしまう古来からの日本人の血なのだろうか、踊りだしたお茶犬の表情は明るく輝いているように見えてしまう。
お茶犬遊びのクライマックスはやはり頭を撫でたり鼻を突いたりしているうちにかまって貰っているうれしさのあまり、お茶犬がダンスを始めること。それもタンゴのビートで。これがけっこう楽しい。思わず微笑んでしまう。
複雑が動きができない分、かえって健気ささえ感じてしまうのだから人間の感情というのは不思議だ。
そしてしばらく(30秒間)遊ばないで放っておくと、しゃっくりしたりいびきを掻いたりして飼い主の注意をひこうとするところもまた健気。それでも何もしてもらえないと「あん」と一声鳴いて寝てしまうというのもむやみにバッテリーを消費しないための心配り(スリープモード)なのだが、切なさを感じてしまった。
ちなみに2匹まとめて入手すると、何となく擬似的にだがお互いがコミュニケーションをとっているようにも見えるのでまた楽しい。
注意点としてはテーブルの上で遊ばないこと。床の上なら多少の衝撃も平気なのだが、テーブルの端で突然動き出して落下すると、唯一の可動部である耳が取れそうになってしまうのだ。取れないにしても微妙な傾きが出来てしまってうまく動かなくなってしまうので落下には気をつけたい。
ただそれはメーカーも予想済みのようで、説明書に「耳が外れた際」の対処方法が載っているのがさすが。ちなみに一応ロボット犬だなあと思うのは、動作が不安定な時に押すリセットスイッチが裏面おしり部にあるところ。
全体として感じたのはやはりロボットというより電池駆動の純粋なおもちゃとしての魅力。24種の動作バリエーションは幼い子どもならもう充分満足できるレベル。大きなお友達に関しても、この懐かしさあふれるお茶犬が立体化されているだけで胸が熱いし、鳴いたり踊ったりしているだけでうれしくなってしまうものに違いない。郷愁を感じるなら子どものみならず大人も買いだ。