『サッポロ一番 カレーラーメン 5個パック』は本格カレーの味わいは美味いが、ラーメンとしての存在感は…

和の時代から人気のあるインスタント(即席)ラーメンの定番といえば、明星の「チャルメラ」であり、日清の「出前一丁」であり、このサンヨー食品の「サッポロ一番」。日本の国民食であるカレーとラーメンの相性が悪いわけはないのだが、なぜか袋入りインスタントラーメンでは定着していないのも現実(カップ麺では「カップヌードル カレー」という定番商品はある)。そんな中、満を持して発売となったのが『サッポロ一番 カレーラーメン 5個パック』(5個入り・一袋につき96gうち麺80g・希望小売価格 税抜525円・2015年4月)。

 

一応昨年夏(2014年)にも発売されており、細かく言えば今回はリニューアル。果たしてインスタントラーメン不毛地帯のカレーラーメン・シーンにて定番商品になりえるのか、検証してみたい。

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使用しているのは油揚げめん。カップ麺とは違い、具のたぐいは存在しない。スープ成分を見ると、ビーフのうまみをベースに、香ばしい風味のオニオンとガーリックのコクを合わせ、香り豊かなカレーパウダーで仕上げたという構成なのだが、メーカーの苦心惨憺を感じるのは、白味噌やらチャツネ、チーズなどあらゆる味わいを隠し味に放り込んでいるところ。

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作り方は通常のインスタントラーメンとはちょっとだけ違う。あらかじめ特製スープをどんぶりに入れておく。指示はないけれど、アツアツで食べたいならどんぶりを事前に温めておくのは必須だ。そして500mlの水を入れた鍋を沸騰させたあとに麺を放り込んで、ほぐしながら4分間煮る。

その後の手はずにも注意が必要。まずお湯だけをどんぶりに移し、スープをよく溶かした上で麺を入れるのだ。溶けにくい粉末カレースープを溶かしてダマを作らないための苦肉の技か。まあ、そんなに手間ではない。仕上げに付属の特製スパイスを入れて、さあ完成。

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カレーの味わいは辛みこそ抑えめだけれど、かなり本格的。というかカレーのルーそのもの。若干薄めだけどスープカレーよりは確実に濃く、スパイス感も満点でご飯にかけても美味しそう。

麺はしっかりと縮れていて、それがスープを見事に絡めとる。カレーライスのご飯をそのまま中華麺にリプレイスしている感じ。どことなくかつての昭和の給食の懐かしメニュー、ソフト麺を思わせる。

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ただこれ少々疑問に思ったのが、ラーメンの味わいはどこへ行った!? ということ。もちろんしっかりとしたサッポロ一番ならではの美味しい中華麺ではあるから、その部分は確実にラーメンなのだけれど、スープは本格カレー。食べ終わった感覚も美味しいカレーを食べ終わった感。

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やはりカレーラーメンを謳うならば、やはりカレーとラーメンは50/50であるべきなのではないだろうか。ラーメンとしての鶏ガラしょう油なイメージもきちんと残した上でカレー味でもあるというのが本来のカレーラーメンなのではないだろうか。そういった意味で残念な思いを抱いた。なので定着するところまで行ける気はしなかったのが正直なところである。

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オススメ度:(良い商品です)
公式サイト:サッポロ一番 カレーラーメン 5個パック

記者

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清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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