“美濃和紙”のブランド『3120』の「一筆箋と封筒」  透かし模様が特長の「ウォーターマーク・コレクション

本のおへそとも言われる岐阜県美濃地方。そこで漉かれる「美濃和紙」は、じつに1300年もの歴史を持つ伝統工芸品だ。

その美濃の紙文化を受け継ぐ3社と、アーティストの高橋理子デザイナーの萩原修がコラボして、美濃和紙の新しいあり方を追求するブランド『3120』(サンイチニイゼロ)が生まれた。

今日ご紹介するのは、その『3120』から生まれた商品で、透かし紙を使った「一筆箋と封筒」である。「透かし」は英語で、watermark。なので、この透かし紙を使った商品群は、The Watermark Collectionと呼ばれている。

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まずは『一筆箋』である。開いて1枚の紙を光にかざすと、透かし模様が本当に美しく浮かび上がる。光にかざさなくても、濃い色のものの上に置くと、その色を透かして、模様がはっきりと見える。

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驚くべきは、この紙とインクとの相性の良さである。

和紙というと、もっとざらざらしていて、インクを吸いすぎて書きにくい、にじむ、そんな印象があったが、この美濃和紙はその印象とは180度違っていた。

表面がつるつるに仕上がっていて、万年筆のペン先がよく走り、しかもインクが全くにじまない。万年筆派なら、この紙は一度使うと、病みつきになりそうだ。

ちなみに、ボールペン、シャープペン、筆ペンでも書いてみたが、この和紙は筆記具を選ばない。どれで書いても、インクの乗りがよく、シャープペンでも濃く書ける。1300年の歴史は伊達ではないのである。

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次に封筒だが、同じように透かし模様が入っていて、しかもグレーの中袋があるため、模様は浮き上がっている。

手に取ると、和紙の感触が柔らかく暖かいのが印象的だ。記者はこれまで、このような和紙のレターセットを使ったことがなかったが、今回の“おためし”で、和紙に対する認識が変わった気がする。これなら、もっと日常的に生活に取り入れたい気持ちになった。

おそらく「3120」というブランドは、美濃和紙に対するそうした新しい認識を提案しているのだろう。そういう意味では、美濃和紙を使った『一筆箋と封筒』は成功である。

ちなみに、この『一筆箋と封筒』、正式な名称は、一筆箋が「Letter paper slim」、封筒が「Japanese style Envelope」である。

どちらも英語の名称で、しかも商品説明にも英文が中心で、その日本語訳が付いている。外国人観光客を1つのターゲットに据えているのだろう。

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ブランド名の「3120」は、3と2を90度回転させると、ローマ字の「mino」になる。

見慣れた数字でも、角度を変えると違った姿が見えることから、このブランド名には、「伝統的な美濃和紙を新たな視点でとらえよう」という意味がこめられているのだ。

価格は、Letter paper slim(30枚)が税別600円、Japanese style envelope(4枚入り)が税別400円となっている。一筆箋は80mm×175mmというサイズで、封筒は、その一筆箋がそのまま折らずに入る90mm×180mmである。

『3120』からは、この一筆箋や封筒のほかにも、透かし紙を使ったメモや便せん、ブロックメモ、折り紙など、さまざまなアイテムが発売されている。詳しくは、こちらからチェックできる。

 

オススメ度:(買っても損はない)

記者

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渡辺 穣

複数の雑誌のデスク・編集長等を経てフリーライター/エディター。主にビジネス/経済系の著書・記事多数。一橋大学法学部卒。八ヶ岳山麓に移住して20年以上。趣味は、スキー、ゴルフ、ピアノ、焚き火、ドライブ。山と海と酒とモーツァルトを愛する。札幌生まれ。

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