『キリン Butterfly(バタフライ)』 アルコール1%ドリンクが提案するのは、新しい飲み方のスタイル!

ルコール1%という究極の缶チューハイが、サントリーとキリンから同時発売となった。先にご紹介したサントリー「The O.N.E」に続いて、今回はキリンの『Butterfly』(バタフライ)を検証しよう。そもそもこれらはアルコール1%という共通項を持ちつつ、全く違ったターゲットを狙った商品である点が興味深い!

 

まずはテレビCMを比べてみる。サントリーの「The O.N.E」はリリー・フランキーと水原希子を起用していることからわかる通り、大人向けのコンセプト。お酒をがぶ飲みして騒ぐような歳じゃない、そんな人のためにリラックスタイムを楽しむためのドリンクに仕上げている。

一方この『キリン Butterfly(バタフライ)』は、コミカルでハジけたノリでわかる通り、完全に若者向けである!

サイズもまた「The O.N.E」が350mlという標準缶飲料サイズなのに対して、『キリン Butterfly(バタフライ)』は250mlという往年の缶ジュース文化を思わせるスリムタイプ。

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そして味も「The O.N.E」がレモン、グレープフルーツという缶チューハイの王道を踏襲したのに反して、『キリン バタフライ』は「気楽にいこう!アップル」「ゆけ、ゆけ!ジンジャー」「のんきに紅茶」と、ネーミングもコミカルな3つの味を用意した。この通り、似ているようでまったく違う「1%ドリンク」なのである。

 

 

キリンは20代男女を対象にしたアンケート結果を元にこの『Butterfly(バタフライ)』を生み出した。9割が「お酒を飲むことが好き」としながら、同時に「飲む機会が少ない」と回答したという。その理由として「翌日の仕事が気になる」「酔うと趣味が楽しめなくなる」というガッツリ飲みへの抵抗感が浮き彫りになった。そんな潜在ニーズに絞って当ててきた商品というわけだ。

早速飲んでみよう。

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気楽にいこう!アップル

正直大人にはこっ恥ずかしいネーミングだが、甘くて美味しいと若者層に人気のりんごを発酵して作る「シードル」とりんご由来のアップルビネガーをベースに使用しているところが正解。果汁も6%含んでいる。

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いきなりフワリとした甘酸っぱいりんごの風味が漂って、飲むとまた素直な甘酸っぱさと熟成した大人の香りがしてくる美味しい一杯。限りなく炭酸系フルーツジュースに近く、ほのかに香るアルコールの風味は非常に飲みやすい。間違って子どもにお勧めしてしまいそうな勢いのジューシーさだ。ちなみに甘味料には糖類に加え、アセスルファムKとスクラロースというダイエット系を使用。

 

ゆけ、ゆけ!ジンジャー

さりげない生姜の風味が一瞬ビールのように感じるフレイバー。ジンジャーエールを少し大人寄りに傾けた感じのすっきり爽やかさは飲みやすい。

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こちらも「気楽にいこう!アップル」と同様、スピリッツとともにシードルを使用しており、糖類に加えてアセスルファムKとスクラロースというダイエット系甘味料で甘さを出している。同時にスパイスも含有しているところがキレの良さにつながっている。

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のんきに紅茶

若者向けならではの変わり種がこの紅茶。スピリッツとともにシードルベースなのは「ゆけ、ゆけ!ジンジャー」と同じ。糖類に加えてアセスルファムKとスクラロースというダイエット系甘味料で甘さを出しているのも同じ。

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だが味わいはかなり異なる。紅茶の風味が何とも不思議! 若者向け居酒屋で無数のフレイバー・チューハイを出している店があるが、あのノリだ。実に面白い。華やかな香りの甘い紅茶に炭酸。こういう「遊び」が嫌いなオトナは敬遠するかもしれないが。

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3種飲み終えて、どれもしっかり飲みやすく、きちんと作られていると感じた。ジュースでもコーラでもなく、ほんのちょっとだけ酔いたい時、確かにそんなシチュエーションはあると思う。この量だとほろ酔いまでもいかず、フェザー酔いとでも言ったらいいのだろうか。これなら人と普通に話したり、趣味を楽しむときも邪魔にならない程度の酔い方が可能だろう。

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大袈裟かもしれないが、「飲み会」と「お茶会」の中間地点のような新たなマーケットの可能性も感じさせてくれた。「オトナたち」の酒の飲み方を踏襲する必要はないし、若い世代ならではの飲みニュケーションのスタイルもあっていい。この『キリン Butterfly(バタフライ)』は新たな文化、これからの”飲みスタイル”の構築を狙っているのだろう! その可能性を応援したい。

オススメ度:(買っても損はない)
公式サイト:キリン バタフライ(気楽にいこう!アップル/ゆけ、ゆけ!ジンジャー/のんきに紅茶)

記者

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清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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