豊富な栄養+健康に効く作用を持つ食材=『ユーグレナ』 消費者が効果を実感できれば大ブレークも!

でも顕微鏡の中で一度は見たことがあるのではないだろうか。ユーグレナ植物門ユーグレナ藻網ユーグレナ目ミドリムシ属。通称ミドリムシ。昨今では、『ユーグレナ』の名称で呼ばれることも一般的になってきた。

人類が誕生する、はるか前の5億年前から生息し、21世紀の世の中になって、未来の食材として注目を集め、はじめて大量培養されるようになった。

世界で初めて大量培養に成功した企業が株式会社ユーグレナ(東京・文京区)。そして、その株式会社ユーグレナとコラボして、今、さまざまな食品が生まれ、次第に人々の胃袋に入るようになってきた。

そんなユーグレナについて、軽くまとめてみた。

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豊富な栄養、大きな可能性

ミドリムシという言葉の「ムシ」が気になる人も少なからずいるようで、「ムシを食べるの?」と毛嫌いする人も多くみかける。しかし、ユーグレナは、「ムシ」とはいうものの、その実態は、昆布やワカメと同じ藻の仲間である。

体長は0.05mm。髪の毛の直径よりもさらに小さく、植物と同様に、葉緑素を持ち、光合成をする。しかし同時に、鞭毛運動をするために、動物と植物の中間的な存在といわれる。

注目を浴びたのは、その小さな体に、実に59種類もの栄養素を持つから。健康志向の強い現代社会で、そんな不思議なプロフィールを持つ『ユーグレナ』は、未来の食品として、いや食品だけでなく、燃料や肥料、飼料、繊維としても、注目を集め、今、健康食品やサプリ、さらに食品、飲料としても、次第に認知されるようになってきたのである。

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上の写真は、以前、当サイトでも紹介した『ユーグレナのお好み焼セット』のものである。黄緑色の粉末がユーグレナで、これで300mg(0.3g)。食品に入っているユーグレナの量は、飲み物にせよ、食べ物にせよ、1回の摂取量として、おおむねこの0.3g程度が多いようである。

また、一日の推奨摂取量としては、0.5gと説明しているものもあれば、1g、あるいは1.2gなどと、ネットで調べる限り、いろいろあって、しかもどれも、確固とした根拠はわからない。

例えば、ユーグレナ入りの某サプリメントの場合、1粒の錠剤に0.25gのユーグレナが入っていて、1日にその錠剤を3錠~6錠程度飲むことが薦められていたりする。キリのいいところで、(わずか)1gのユーグレナには、一体、どのくらいの栄養素が含まれているのだろう。

ユーグレナ1g中に、鉄分ならほうれん草50g分、ビタミンBなら豚レバー50g分、亜鉛がクルマえび50g分、ビタミンAがきんかん50g分など、他の食品で摂取しようと思えば、かなりの量の食事を必要とする栄養が、わずか1gのユーグレナで、がんがん取れてしまうのである。

しかもユーグレナには細胞壁がないので、これら栄養素の吸収率が93.1%と非常に高い。豊富な栄養が効率よく摂取できる、理想的な食材なのである。

このような記載がネット上にはあるが、その根拠はよくわからず、またユーグレナを食べて、その効果や、豊富な栄養を実感できたというレポートも見かけない。

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また唯一、ユーグレナの体内にしか存在しない「パラミロン」という物質は、人間体内の余分な脂肪分などを吸着して排出するとか、葉緑素であるクロロフィルは、人間体内の有毒な金属を吸着して解毒作用を持つ(デトックス効果)など、豊富な栄養素だけでなく、健康維持のために、有効に働くことが、次第に解明されてきているという。

株式会社ユーグレナは、そんなユーグレナの研究開発・実用化、商品化を進める、ベンチャー企業。2005年に設立され、世界で初めてユーグレナの大量培養技術を確立し、昨年は東証一部上場、今年に入って、「日本ベンチャー大賞」の内閣総理大臣賞を受賞し表彰されている。

消費者の反応はいかに?

イトーヨーカ堂は、この株式会社ユーグレナと組んで、「ミドリムシカラダに委員会」を設立。多くの食品メーカーを巻き込んで、ユーグレナ入り食品を企画開発し、全国のイトーヨーカドー店舗で販売し、その普及に一役買っている。

当サイトで、これまで紹介してきた「ユーグレナ梅ガム」「ユーグレナ入り抹茶ラテ」「グリーンカレー ユーグレナ入り」「ユーグレナのお好み焼セット」「ユーグレナ雑炊の素」は、すべてこの「ミドリムシカラダに委員会」が企画したコラボ商品である。

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株式会社ユーグレナは、イトーヨーカ堂だけでなく、多くのコンビニ、スーパー、百貨店などとも手を組んで、ユーグレナ商品を積極的に発売している。

その甲斐あって、ユーグレナは、テレビなどのバラエティ番組などで取り上げられることも多く、昨今では、健康食品として、かなり広く認知されるようになった。

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このユーグレナ、 実際に、その粉末を食べてみると、やはり昆布やワカメと同じ藻の仲間だけあって、記者の味覚では、「昆布」と同じような味がする。見た目は抹茶のような感じ。

昆布の味なので、当然のことながら、昆布だしの日本料理的な料理にはよく合うし、またわずかな使用量で済むことを考えれば、どんな食品に入れても、元の味をジャマするとは考えにくい。つまり、何にでも添加できそうな食材なのである。

それでいて、栄養豊富、体にいい効果も得られるとあれば、これから先、まだまだ人気は出そうな食材である。

あとは、食べた人から、本当に「効果があった!」のレポートがどれだけ出てくるのか。それが実感できるようなら、大ブレークとなるかもしれないが、少なくとも、記者の感覚では、この手の食品をたまに食べたところで、何かが変わる実感を持てるとは、とうてい思えない。さて、ユーグレナは、これから先、どういう運命をたどるのだろうか。

記者

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渡辺 穣

複数の雑誌のデスク・編集長等を経てフリーライター/エディター。主にビジネス/経済系の著書・記事多数。一橋大学法学部卒。八ヶ岳山麓に移住して20年以上。趣味は、スキー、ゴルフ、ピアノ、焚き火、ドライブ。山と海と酒とモーツァルトを愛する。札幌生まれ。

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