有名店系のカップ麺はお店の味を再現できているのか? エースコック『池袋大勝軒 野菜タンメン 大盛り』で検証!
東京・東池袋の大勝軒本店で驚いた!
やってきたのは平日の13時頃。東京メトロ有楽町線、東池袋駅からすぐそばにある大勝軒の本店である。
「いらっしゃいませー!」
威勢の良い店員の掛け声、好感が持てる。店内は8割くらいの席が埋まった状態。店と客との間に程よい緊張感があり、繁盛店らしい活気が満ちているのを感じる。
いざ、券売機で「野菜タンメン」を探す……が、無い。おかしい。そんなボタンはどこにも見当たらない!
混乱する記者、塩ラーメンに野菜をトッピングすれば良いのかと考えるが、塩味のボタンも野菜トッピングのボタンもない。野菜が入るのは「あつ野菜」のボタンのみである。そこで店員に尋ねる。
「タンメンというか、塩味のラーメンはできますか?」
「やってないんですよ、すみません!」
やむなくあつ野菜(1,000円)を注文して席に着いた。
悪いのは記者だった……
カップ麺になったメニューが店舗に存在しないという事態に面食らったが、これには理由があった。エースコックの広報資料をよく見たところ、池袋大勝軒の創業当時(昭和36年)に人気を博していたタンメンを迫力のサイズで再現! と明記されていたのだ。店舗にないはずである。こちらの落ち度であった……。
改めて調べてみると、エースコックは平成15年4月から実に10年以上、定期的に大勝軒ブランドを冠したインスタント麺を発売し続けている。エースコック公式サイトには年表も載っており、味のバリエーションも含めればこれまで全29種類が生み出された。そしてその中には店舗展開中のメニューもあれば、今回検証した『野菜タンメン』のようにカップで復刻という扱いのメニューもあるのだ。たとえば、昨日1月19日より新発売となった「池袋大勝軒 復刻 特製みそラーメン」は、その名の通り復刻扱いである。
もはや『野菜タンメン』を店舗で食べ比べることは不可能だと判明したが、大勝軒の名を冠する以上、何らかの共通性があるかを、探ることとした。
あつ野菜のキクラゲに大勝軒の系譜を見た
テーブルに届けられた「あつ野菜」を頂くことにする。
もやしたっぷり、カップ麺とは違う構成の「野菜」だが、口に含むと、確かにこの大勝軒の“イズム”があのカップ麺に活きていることは感じられた。キクラゲ、人参のアクセントはカップと共通の印象なのである。
かなり甘めのスープ、これは野菜の甘さだけではない。公式サイトを見るとどうやら甘酢がプラスされている模様。
中華そば(750円)も食べてみた
つけ麺ではない、通常の中華そばも注文してみた。
750円でかなりのボリューム。「得した」と感じさせてくれる。スープはトロリとしており、魚系のダシと脂のうまみが、すするごとに食欲を喚起する。
あつ野菜と中華そばの2杯で共に感じたのは麺の美味さ。太めの麺はツルツルとした食感で、自分でも驚くほど沢山の量を食べられる。なのに、イヤなもたれ方をしない。これが自家製麺にこだわっている結果なのかと、感心した。
総論、カップの麺が、更に進化したら嬉しい!
ボリュームがあるのに、スルッと完食できてしまう。これがカップと店舗で共通して感じた印象であった。所詮カップ麺、されど“イズム”をきちんと感じさせてくれるバランス感があるから、エースコックと大勝軒は10年以上の関係を維持できたのではと想像する。
今回、店舗取材を行っている間にカップの『池袋大勝軒 野菜タンメン 大盛り』は販売を終了してしまった模様で、購入できるのは在庫のある店舗のみの模様。
だが先述の通り、今後もエースコックの大勝軒シリーズは定期的にリリースされることだろう。
今後エースコックに期待したいのは、インスタント麺の更なる改良である。店舗で味わった麺はとにかく美味かった。あの麺の美味さを自宅で気軽に味わえる時代が来たら、最高だ。