台湾まぜそばの真髄『麺屋はなび 台湾まぜそば』カップ!味の濃さも、辛さも、その全てがくせになる!

京に続々出店され、今やまぜそば戦争勃発かと話題になっている「台湾まぜそば」。それに対するカップ麺シーンからの回答が、アピタ・ピアゴ・サークルK・サンクスによる本物志向PBブランド「PrimeONE」とサンヨー食品株式会社(東京都港区)のコラボによるこの『麺屋はなび 台湾まぜそば』(163gうち麺70g・オープン価格・発売中)だ。

 

「台湾まぜそば」といっても発祥は名古屋。1970年代の中華料理店「味仙」がまかないとして作った「台湾ラーメン」が原型とされるが、そのメニューを名古屋のラーメン店「麺屋はなび」がアレンジして「台湾まぜそば」として提供したところ大ヒット。
名古屋という地域限定ではあるものの、今ではごくふつうに中華店では定番のメニューとなった代物。名古屋めし総選挙で準グランプリまで受賞している。

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今年になってから、その元祖である「麺屋はなび」が東京・新宿へ出店したのを皮切りに、高田馬場に「麺屋こころ」、人形町に「麺 やまらぁ」と続々出店攻勢が続いていて、テレビ・メディアに数多く取り上げられたこともあって、いつの間にかラーメンシーンではまぜそば戦争が勃発していたのである。

その基本構成はというと、唐辛子と炒めた豚挽肉を中心に、卵黄、ネギ、ニラ、刻み海苔、魚粉、ニンニクなどが乗り、中太麺と豪快に混ぜ合わせて食べるラーメンと焼きそばの中間スタイル。汁なし担々麺と酷似しているが、こちらのほうが魚粉があるぶん和風寄りなのが特徴だ。

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この『麺屋はなび 台湾まぜそば』はそうしたまぜそばブームの源流となる元祖店「麺屋はなび」(愛知県名古屋市)が監修した基本の一杯。台湾まぜそばを体験する第一歩としてまさに適当。タッグを組んだのも「サッポロ一番」のサンヨー食品なので、死角はない。

見た目は平たく大きなサイズのカップ。パッケージはそれを包むフィルムのみなので、剥がしてしまうと匿名希望の真っ白な無地カップ麺になる。
さっそく調理なのだが、必要湯量が600mlと多めなので余裕を持って熱湯を用意したい。

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中に入っているのはかやくとふりかけ、特製調味だれとレトルト具材の4種類。かやくのみ先入れ。残念ながら「台湾まぜそば」の特徴の一つの卵黄は入っていない。パッケージにも調理例として書いてあるけれど、どうしても卵がほしいという人は各自準備するしかない。

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フタの上に特製調味だれとレトルト具材を温めるために載せて、熱湯5分経過後、湯切り。600mlの湯切りは結構大変。フライドガーリックの香りがぷんと匂い立つ。
フタを開けると艶の良いノンフライ麺が見える。この麺が実は一手間かかっていて、全体の5%ではあるけれど、全粒粉を使用しているのである。大豆の食物繊維も練りこまれており、健康志向のようだ。

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手順は先にラー油が半分ほどを占める特製調味だれを投入し、麺をほぐしながらグルグルとかき混ぜる。飛び散ったかやくのネギ・ニラを混ぜ込みつつ。この時、記者の環境ではきちんと熱湯を使用したのに関わらず、一部麺がほぐれきっていなかったのが気になった。
そこにフタの上であたためたレトルト具材(豚肉そぼろ)を投入。これもまた気になったのは、フタの上で5分ではアツアツまでは温まらなかったこと。全体の温度がどんどん下がっていくことにじゃっかんの不安を覚えながらさらに混ぜる。

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できあがり。見た目はそんなに魅力的ではない。ただ香りは担々麺的フレイバーで、美味しそう。スープがないのでさっそく麺をひと口。

「しょっぱい、そして辛い!」

でもとてもうまい。一時期流行った濃いポテトチップスやハッピーターンの魔法の粉を増量したような流れで、とても濃い味ながら禁断の旨さを感じてしまった。ラー油がピリリと来るところは、かつて日本中が熱狂した「食べるラー油」的うまさ。
麺もつるつるの中太麺で、しこしこの食感が絶妙。肉そぼろがふんだんに絡まって旨味が満載だ。食べながら、この濃い味はおそらく調味例の卵黄を入れることを意識してのものだと気づいた。

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最初から卵黄を入れないつもりなら、いい加減に湯切りすればちょうどいいかもしれない。辛味たっぷりの担々麺的味わいがおいしいが、何より味の決め手はさば節と魚粉。これが汁なし担々麺と一線を画す美味しさを生み出している。
しょっぱい、辛い、そして魚の風味と旨味が寄り添ってくる。だから箸が止まらない。そしてラー油の影響もあるのだが、米の飯に乗せて食べたくなること請け合い。
また何事もアツアツで食べたくなるのが人情だが、これはぬるくても美味しいところに驚いた。

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そもそもつけ麺系は魚介つけ汁が王道なくらいだから、この汁なしスタイルに魚粉が合わないはずはないのだ。したがってそっちのつけ麺が好きな人、辛味をうれしく感じる人なら、この『麺屋はなび 台湾まぜそば』は外さないに違いない。

オススメ度:(買っても損はない)
公式サイト:麺屋はなび 台湾まぜそば

記者

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清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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