北欧からやってきた『Razor Blade Sharpener』!! 切れ味の甘くなったカミソリの刃を研ぐという新習慣!

れ味が悪くなったら刃を交換するのがT字型安全カミソリの正しい使用法。その常識をくつがえすのがこの『Razor Blade Sharpener』 レイザーブレイド・シャープナー(希望小売価格 税抜3200円 デンマーク製)である。文字通りの剃刀研ぎで、Razorpit(レイザーピット)というペットネームが付いている。

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発売元は女性用ケア商品を取り扱う輸出入卸業者の株式会社ウェルリッチ(東京都・豊島区)。この『Razor Blade Sharpener』はデンマークからの輸入品である。
デンマークといえば北欧、決して豊かではないが社会保障が充実している国で、贅沢よりもホンモノを大切に長く使うことを賞賛するお国柄と評される。そんなところだからこそ、こうした本来使い捨てである剃刀の刃を再生しようとする商品が生まれるのだろう。2011年度、デンマークの「成長製品賞」をも獲得しているという。

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どんなに電気カミソリが優秀になっても、深剃りが可能になっても、洗浄器と一体になって清潔度を保てるようになったとしても、昔ながらの手動のT字型安全カミソリの爽快さにはなかなか及ばない。極端に肌の弱い人ならともかく、泡立てたせっけん及びシェービングクリームを使用して、角質ごとさっぱり削ぎ落とすのにはかなわないだろう。

そもそも網刃の内側の内刃を回転させることによって、挟んで切るというタイプの電動シェーバーの仕組みは、どうあがいても網刃の厚さの分だけ構造的に深剃りはできないのである。それに何より、近年主流となっている充電式はどうにも手軽ではない。肝心なときに赤いランプが付いていることもありがちな話だろう。

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しかし安全カミソリの弱点は、刃の劣化である。それが何を引き起こすかというと、ヒゲに引っかかり、皮膚まで傷をつけてしまうということだ。毛の濃さにもよるが、およそ1ヵ月も使えば刃は当初の切れ味を失ってしまう。

 

少し話が逸脱するが、カミソリについて語らせてほしい。まずカミソリで美しくヒゲを剃るコツは、ずばり重いカミソリホルダーを使うこと。力を入れるわけではなく、カミソリホルダーの重みを利用してテコの原理を使いながら、肌の上を滑らかにすべらせるのである。これが一番スマートなヒゲの剃り方だと記者は研究の結果たどり着いた。

グルーミング(直訳すると毛づくろい)という男子おしゃれ行為が流行した1980年代当時、ポパイなどの外国かぶれのマガジンハウスの一連の雑誌のキャンペーン(?)のお陰で、輸入物のスタイリッシュで重みのあるグルーミングセットは東急ハンズやLOFT店頭にズラリと並べられ、入手しやすかったのであるが、今となってはほとんどない。

それでも赤坂などの外国人観光客が訪れるホテルの一角では、数年前まで世界一の刃物ブランド・ヘンケルスのロゴの入ったT字型カミソリホルダーは替刃とともに売られていた。今はもう無いけれど。

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その時に、何が一番困ったか。替刃である。もちろん高価だし、めったに売っていないものである。日本橋の金物店の老舗に行ってやっと手に入るかどうかのレベル。いかんせん、その重みのあるカミソリホルダーによる剃り心地も、刃が甘くなってきてしまっては元も子もない。無理やり国産の替刃を装着できないこともないのだが、それだと何のためにヘンケルスを手に入れたかわからない。

 

さて、この『Razor Blade Sharpener』を手にした時、そうした思い出が走馬灯のように蘇った。あの時、あの頃にこれがあったら、もう少しの間、最高の剃り心地を延長できたのになあと。

カミソリの命は切れ味。切れ味さえ良ければ、カミソリホルダーもまた多少軽くても何とかなるものでもある。使い捨てのT字型カミソリだって、一番最初の使用時だけは結構爽快だったりする。

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その初回の切れ味をグンと2〜3倍の期間、長持ちさせてくれるというのがこの『Razor Blade Sharpener』。一瞬包丁などの砥石を思い出してしまったが、実際はそうではなく、シリコンゴム製の砥面台に刃を滑らせるだけである。

ABS樹脂のボディに、シリコンゴム(熱可塑性エラストマー/TPE)が埋め込まれているだけのシンプルな商品。どう考えてもiPhoneのパロディにしか見えないデザインも隠れたユーモア。嫌いじゃない。裏側にはちゃんとすべり止め用に足の部分に同じゴム素材が付いている。

研ぎ方は包丁研ぎと一緒で、一方通行で、いつもヒゲを剃る方向とは逆向きにすべらせる。その時市販のシェービングクリームを一滴だけスプレーする。滑らせる面はシリコンプレートである。古き良き時代の床屋さんがカミソリを使う前にすべらせていた茶色いゴム状のものと基本は同じものだ。

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したがってこの製品は刃を研いでいるわけではない。使用することによって刃に付着してしまった皮膚の角質及び皮脂、毛そのものを除去しているのである。それによって刃をまるで研いだかのような新品の感覚にリフレッシュしてくれる。

実際に2週間近く使用し、少々マイルドな剃り心地に変化していたカミソリがほんの5回すべらせるだけで、見事に再生した。マイルド状態では引っかからない産毛まで、見事に剃り落とす。これはすごい。感動的だ。期間的にまだ一週間程度しか使用していないが、その差は歴然。

いかに余計なものがカミソリの切れ味を邪魔していたかがよく分かる。

近年流行の三枚刃だろうが四枚刃だろうが、仕組み的にオールラウンドに対応。替刃の高いその手の複数刃の交換タイミングを一気に半減~1/3くらいまで増やせるというから、コスト面ではこの3200円も惜しくないのではないか。

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最新機種のカミソリ替刃だと単価200~300円程度、1ヵ月に1回交換していたものを2~3倍長持ちさせられるのなら、1年とか2年でもとを取れる計算になる。

もちろんこの製品、女性のムダ毛処理用のカミソリも見事に再生する。もちろん使用要領に書いてあるとおり、刃自体がぼろぼろになっていたら無理なのだが、4〜5回使用したあたりで試してみると魔法のように切れ味が新品同様になる。細かい産毛の処理など、甘い切れ味のカミソリを使うこと自体が危険。そう考えるとこの製品を是非活用してもらいたいものだ。

ちなみに通常使用で3~5年使えるとのこと。前述の通り、砥石とは違うので擦り減っていくことはないが、おそらく刃の当たったシリコンゴムが劣化していくという意味だろう。

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そこの「普通にDIY店でシリコンゴム買えば?」と思いついてしまった人、あながち間違っていないがこの硬さとキメの細かさの素材はおそらく同じような価格になってしまうと思います、念のため。

オススメ度:(買っても損はない)
公式サイト:Razor Blade Sharpener

記者

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清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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