希少糖と希少な豆を使った『キリン 別格 希少珈琲』は、”別格”の片鱗も感じられない平凡な缶コーヒーだった

11月20日におご紹介した、キリンビバレッジの「別格 日本冠茶」の、“缶コーヒーバージョン”を今日はご紹介したいと思う。

「別格 日本冠茶」の記事でも書いたとおり、キリンビバレッジは、新しいスローガンとして、「世界一おいしいのみものをつくる会社になる」を掲げ、その体現のために新ブランド「別格」を立ち上げた。

今日ご紹介するのは、『キリン 別格 希少珈琲』。本当に「別格」ブランドに値する商品内容なのだろうか?

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金箔市松模様のデザインに、フルシュリンクフィルムをまとった外見は、確かに高級感があり、店頭でも目立つ。ここまでは、「別格 日本冠茶」と全く同じである。

 

ネーミングの「希少」という単語は、どうやらブラジル産の希少な黄金豆=ブルボン・アマレロ と、健康に効果があるレアな甘味料=「希少糖」を使ったという、ダブルで「希少」であることから、来ているらしい。

希少糖の詳細については、当サイトの過去の記事で、かなりしっかりと取り上げているので、興味がある方は、ぜひそちらも参考にして欲しい。

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さて、その『キリン 別格 希少珈琲』だが、まずグラスに注いでみると、驚いたことに、しっかりと“コーヒー牛乳”なのである。カフェオレとでも言った方が聞こえはいいかもしれないが、とにもかくにも、しっかりと牛乳が入っている。

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わざわざ豊かなコクと香りが特長の、希少な豆を使用して、どうして牛乳たっぷり、それに砂糖、希少糖と、しっかり甘みを加えないといけないのだろう。美味しいコーヒーという期待も、この時点で、すでにがっかりな気分に変わってしまう。

やはり缶コーヒーには、コーヒーを期待してはいけないのだろうか。

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それでも、かすかな期待を込めて、グラスに注いだ液体を口に含むと、おお!なんと、全く普通の缶コーヒーではないか。缶コーヒーの世界では、微糖タイプくらいの甘さなのかもしれないが、コーヒー好きの人間からすれば、これはもう激甘である。そして牛乳。これでは、仮にせっかくいい豆を使っていたとしても、その素材の味を殺しているようなものである。

 

これが、キリンビバレッジの言う「別格」なのだろうか。コーヒーとしてではなく、あくまでも缶コーヒーというジャンルの飲料として別格という意味なのだろうか。

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『キリン 別格 希少珈琲』は、税別200円。先般の緑茶が美味しかっただけに、この「希少珈琲」には、いささかがっかりの試飲であった。

「コーヒー好き」の人ではなくて、「缶コーヒー好き」の人には、これは別格に感じられるものなのだろうか。コーヒー好きの記者には、正直よくわからない。

記者

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渡辺 穣

複数の雑誌のデスク・編集長等を経てフリーライター/エディター。主にビジネス/経済系の著書・記事多数。一橋大学法学部卒。八ヶ岳山麓に移住して20年以上。趣味は、スキー、ゴルフ、ピアノ、焚き火、ドライブ。山と海と酒とモーツァルトを愛する。札幌生まれ。

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