進化するPB!グラム単価2円が“PB第3世代”の境界線か?! ~大手コンビニPB比較第三弾『カップめん編』~

手コンビニのPB比較ということで、今日は、その第三弾の『カップめん』比較である。今回は、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートの三大コンビニのPB、「セブンプレミアム」、「ローソンセレクト」、「ファミリーマートコレクション」の、スタンダードなしょうゆ味のカップめん3品を、“おためし”比較し、考察してみた。

 

取引関係が複雑で、しかもあまりに戦略的なPBという商品を、流通側にもメーカーにも取材せずに書くこと自体、ややはばかられるのだが、麺をすすりながら記者が考えたことが、PBカップめんを選ぶ際の、1つの“お楽しみ”になればと思い、書いてみた次第である。

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昨今は、PB花盛りの感があるが、その内容は時代と共に大きく変化してきている。

大きな流れで言うと、価格訴求時代から価値訴求時代へ。もう少し細かく言うと、「どこの誰が作っているのかわからないが、とにかく価格が安いPB第1世代」、「大手NB(ナショナルブランド)メーカーが製造するNB同等商品なのにお買い得感のあるPB第2世代」 、そして「NBより工夫され、品質も優れたPB第3世代」へと、段階的に進化しているというところだろうか。

特に、大手コンビニの、品質を売り物にしたいわゆる“プレミアムブランド”のPB商品は、全国どこでも買うことができる規模感といい、誰もが知っているブランド名の知名度といい、製造者が明示されていることでメーカーが事実上、品質に責任を持って提供していることといい、もはやPBというよりも、これこそがまさにNBじゃないかと思える状況になっている。

製造者であるメーカーにとっても、PBは単にNBの廉価版ではなく、違った位置付けでの付き合いが求められているのかもしれない。

 

面白いのは、そうした進化の途上にあるPBであるために、先に書いた第1世代から第3世代のPBが、市場のなかで渾然一体となって売られていることで、記者は、どんなジャンルのPB商品を見ても、ついつい「これは第何世代の商品かな?」と見てしまうのである。

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さて一般論は、そのくらいにして、 今回比較した3つのPB商品、そのデータについては、冒頭に掲載した表を参照して欲しい。

それを見た上で、実際に食べてみると、最も際立っていたのが、ファミリーマートのPB「ファミリーマートコレクション」の『中華そば』であった。何より、和風の魚介だしのスープは、コクが強く、とても印象に残る。この味は、後になって、「また食べたい!」とリピーターを生み出す美味しさがある。そして、その和風魚介スープとケンカしない、味付け鶏肉がゴロゴロと入っている。麺は、普通の油揚げ麺だが、スープと鶏肉で、これは、また食べたくなるクセになる味だ。

 

この商品は、製造者が日清食品。カップめんの王者が、多様化する消費者ニーズの1つのセグメントの受け皿として、この商品はしっかりと作った感じがする。先述したPBの進化段階でいうと、第3世代のPBではないかと思えるのだ。

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