好みが分かれそうな、日本人仕様の味と甘さ。ニッスイ『タイカレーマッサマン(ツナ入り)』の斬新な試み!

、人気を集めつつあるタイカレーのマッサマンが、日本水産(東京・千代田区)から新登場した。今年4月に発売された、ニッスイ『タイカレーマッサマン(ツナ入り)』である。

先駆者的存在である、いなば食品(静岡市)、後発のマルハニチロ(東京・江東区)に引き続き、ニッスイからも発売されたことで、徐々に高まりつつある日本でのマッサマン人気は、さらに大きな流れとなりそう。さっそく試食してみた。

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今、トレンドになりつつある「マッサマン」が、2011年に米CNNサイトの世界で最も美味しい料理に選ばれたことについては、当サイト7/13の記事でも書いたとおり。

その“世界一おいしい料理“が、いなば食品やマルハニチロといった先発組と、どう差別化されているのか。さっそく入手して、まず驚かされたのは、このニッスイ『タイカレーマッサマン(ツナ入り)』には、その具に、マッサマンの定番である「じゃがいも」ではなく、「さつまいも」が使われていることだった。

さらに肉系の具には、鶏肉や牛肉ではなく、何と「かつおフレーク」、つまり「ツナ」が使われている。これらの具が、マッサマンの味わいを、どう個性的にしているのだろう。

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さっそく缶を開けて、中身を普通のライスにかけてみると、缶詰のサイズの割に具が大きい。ダイスカットのさつまいもは、しっかり食べごたえがあるし、ツナは大ぶりで、ゴロゴロと入っている。なかなか豪快である。

カレーからは、タイカレーらしいココナッツミルクの香りが漂い、食欲と期待が高まるが、一口食べてみると、思ったほどタイカレーっぽさがない。よく言えば、クセがなく、誰にでも美味しく食べられる味。いわゆる”日本人仕様”のタイカレーなのだが、最大の特徴は、「甘さ」にありそうだ。

さつまいもを使っていることも影響しているのだろう、この『タイカレーマッサマン(ツナ入り)』は、かなり甘い。それが真っ正直に砂糖っぽく甘いのである。確かにマッサマン自体、辛みよりも、甘さとしょっぱさに味の特徴がある料理だが、この甘さ加減は好みが分かれそうな気がする。

もっとスパイスや魚醤や香草類の香りが効き、そこにココナッツミルクやナッツの香ばしさ、甘さが加わった味を期待したが、それよりも、さつまいもの甘さと、大ぶりのツナの醤油っぽい味付けの、あまじょっぱさが美味しい、マッサマン風の料理に仕上がっている印象だ。

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このあたりの味付けは、個人の好みに大きく左右させることだと思うし、これが後発であるニッスイの出した差別化への答えであり、チャレンジなのだろう。あとは、消費者の「舌」が結果を出すはずだ。

誤解のないように言うが、この缶詰は、とても美味しいと思う。記者も、また買って食べるかもしれない。ただ、これはタイカレーマッサマンとしては、好みが分かれそうな気がするだけだ。

ネットなどで調べてみると、おおむね消費者の評判は良さそうで、これからは、「いなば」だけじゃなく、缶詰のタイカレーの選択肢に間違いなく加わってくるものになりそうである。一度、自分の舌でお試しあれ。

記者

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渡辺 穣

複数の雑誌のデスク・編集長等を経てフリーライター/エディター。主にビジネス/経済系の著書・記事多数。一橋大学法学部卒。八ヶ岳山麓に移住して20年以上。趣味は、スキー、ゴルフ、ピアノ、焚き火、ドライブ。山と海と酒とモーツァルトを愛する。札幌生まれ。

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