プラズマ乳酸菌は効くのかどうか?研究途上で、すでに商品化!?キリン『からだまもるみず。プラズマ乳酸菌®の水』新発売

じめに断っておくが、記者はバイオ研究や医学については全くの素人である。だから、この新しい飲料の最大のセールスポイントである「プラズマ乳酸菌」について、とやかく語る資格はない。

かといって、そこに全く触れないわけにはいかないし、無責任に「良い」だの「悪い」だのと言う気もない。なので、これを書くにあたって、いろいろな資料を読み、何を書くべきか相当に考え、専門家である国立感染症研究所の研究員の意見も聞き、ようやく今日、記事を書こうという気になったのだ。

キリンの新商品『からだまもるみず。プラズマ乳酸菌®の水』は、1月21日に発売されたばかりである。

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ペットボトルの横には、この聞きなれない言葉「プラズマ乳酸菌」とは、「キリンと小岩井乳業が共同研究を行っている」ものだとわざわざ記してある。少なくても、この2つのグループ会社が、現在研究中の乳酸菌であることはわかる。

しかし、この「プラズマ乳酸菌」が何に効くのか、どう体を守るのかは、何も書かれていない。それはそうである。「特定保健用食品」(以下トクホ)の認定を受けずに、それを書く事は薬事法で禁止されているからだ。

記者がこの新商品について、最初に感じた素朴な疑問は、そこである。「なぜトクホを取得していないのか」。

まだ取得する段階ではないということなのか。それとも、それを取得せず、効能も特に謳うことなく、健康とか感染予防といったイメージで売っていく戦略なのか。

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その一方で、キリンのホームページでは、商品の広告という形ではなく、「プラズマ乳酸菌」の研究の成果や効き目について、かなり細かく公表している。

それによると、これまで、乳酸菌というものは、ウイルス感染を防ぐシステムに対しては直接的には効力はないといわれてきたが、キリンと小岩井乳業は、その定説に対し、「プラズマ乳酸菌」研究で挑戦するということらしい。

HPには、マウスを使った動物実験では、「パラインフルエンザウイルス」について、感染予防作用があることを確認でき、さらにその効力はヒトにも有意性がありそうだという記載がある。

つまり、今が流行のシーズンであるインフルエンザ感染に、この「プラズマ乳酸菌」が効くのではないかと読者が誤解しそうな記載がたくさんあるのだ。しかし話はそう簡単ではない。

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まず、動物実験に使用した「マウスパラインフルエンザウイルス」は、通常、我々が使う「インフルエンザウイルス」とは全く別物のウイルスである。

また、ヒトへの効果を知るための研究結果のところには、「風邪・インフルエンザ様症状」と、あえて「様」という言葉を付けて、その研究成果を発表している。

サンプル数も200人程度。これが統計データとして意味を持つのか、また疫学データだけで効くと言えるのか、まだまだいろいろとよくわからない部分も多い。

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そういうわけで、現在「研究中」の「プラズマ乳酸菌」ということなのだろうが、それをこの段階で、商品化して、非常にファジーな商品として売り出しているのは、どういう意味なのだろうと記者は考えてしまう。

キリンと小岩井乳業という、一流企業が研究開発を進めていることなので、いい加減なことでは毛頭ないだろうと思うが、現段階で、この商品の「プラズマ乳酸菌」について、記者は何も言うことはできないのである。とりあえず、新しいタイプの水が発売され、それをキリンはこれからのビジネスのネタにしようとしているということなのだろう。

この『からだまもるみず。プラズマ乳酸菌®の水』は、見た目は、ごく普通のスポーツドリンク状の、やや白濁した色をした液体である。この白濁も「プラズマ乳酸菌由来です」と、ボトル横に記されているが、「由来」とは何なのだろう。プラズマ乳酸菌末の水溶液の色という意味だろうか。

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味は、スポーツドリンクから、余計な甘味や塩味、柑橘系の香りなどを全て取り除き、口の中に、スポーツドリンクの“余韻”だけが残るような感じの不思議な味わいである。特別美味しくはないが、まずくもない。ちょっと余韻の残る水といった風情である。

このキリン『からだまもるみず。プラズマ乳酸菌®の水』は、500ml入りペットボトルで希望小売価格が税別120円。同じく280ml入りは105円となっている。

この商品、そして「プラズマ乳酸菌」の正体は、これからの研究成果と商品化の動きを見守っていく必要がありそうだ。人の健康にとって、いい成果が発見されることを記者はおおいに期待している。

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記者

渡辺 穣

渡辺 穣

50代男性。元日経トレンディ副編集長。アウトドア好きで、八ヶ岳山麓に暮らす。文具、IT、メカもの、サイエンスものが好き。

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